言語を楽しむ

言語同士のつながり、単語の由来や覚え方など、語学にまつわるお話を書いてきます!

"fer"=「運ぶ」〜語源から覚える英単語〜

今回は、"fer"を扱います。

"fer"は「運ぶ」という意味が基本です。

早速単語を見ていきましょう。

 

・"differ"="dif" + "fer"

  「分離して("dif")」+「運ぶ」=「異なる」

「別々にして持っていく」→「異なっている」って感じですかね。

 

・"prefer" ="pre" + "fer"

「前に("pre")」+「運ぶ」=「(好きなものを、)前に運んでくる」→「好む」

子供が二つのおもちゃどちらを買うか悩んだ挙句、好きな方を目の前に差し出すイメージです。「こっちの方がいい!!」みたいな。

 

・"suffer"="suf" + "fer"

「〜の下で("suf")」+「運ぶ」=「耐える、(被害を)被る」

人の下に仕えて物を運んでいる」イメージでしょう。

 

・"transfer"="trans" + "fer"

 「〜を超えて("trans")」+「運ぶ」=「移動させる、移す」

「〜を超えて運ぶ」ということから、 そこには少し距離や壁を感じるような気がします。

 

それでは〜!

 

(参考文献:ジーニアス英和辞典)

BVLGARI(ブルガリ)のスペルについて〜身近にあるラテン語:"v"と"u"は同じだった〜

「ブルガリ」といえば、有名なジュエリーのブランドですね。皆さんご存知かと思います。

このブルガリ、綴りは"BVLGARI"と書きます。

 

「...あれ?"BULGARI"じゃないの??」

「"BVLGARI"だったら、読みは「ブヴルガリ??(最早カタカナで書けませんね笑)」になるのでは?」

と思いますよね。

 

確かに、"v"は英語で「ヴ」と読むので、そう思ってしまいます。

しかし、これはラテン語読みなのです。

 

実は、ラテン語では、"v"と"u"の文字の区別がありませんでした

"v"と"u"はどちらも、母音として使われている場合には「u(う)」、子音として使われている場合には「w(わ)」の音でした。

 

例として、以前紹介した"virus"「ウィルス」では、"v"は子音として用いられているので、「うぃ」といった音になっています。

そして、文字の区別がないので、"virus"と書いても、"uirus"と書いてもどちらも同じ「ウィルス」と読み、意味も通じたということになります。

 

しかし、"v"または"u"が母音になるか子音になるかを完全に正しく区別するためは、一定の知識がないとわからないという、非常に不便なものでした。

 

その不便さを解消するために、母音の時に"u"、子音の時に"v"を用いるようになったのは、ラテン語が話されなくなって数百年がたった10世紀頃だったと言います。

 

 

"BVLGARI"は、この"v"と"u"の区別がなかったラテン語読みを採用しているということになります。

普段耳にする有名ブランドの名前に、ラテン語が隠れていると考えると、ラテン語を身近に感じられるのではないでしょうか?

それではまた!

 

(参考文献 「ラテン語の世界」 小林標著 中公新書

"spect"=「見る」〜語源から覚える英単語〜

今回は、”spect”について触れたいと思います。

spect”は「見る」という意味になります。

 

早速関連単語を見ていきましょう!

 

・“respect=re+spect

「再び("re")」+「見つめる」=「尊敬する」

「すごい人を見ると二度見してしまう」というイメージかなと思います。

 

・“suspect=sus+spect

「下から(“sus”)」+「見上げる」「疑う」

本当のことを言っているのか怪しい相手の顔を下から覗き込み、「本当に?」と詰め寄っているようなイメージかな~と。

ちなみに”sus”は”pend”のところでも"suspend"として出てきました!

chammasalingua.hatenablog.jp

 

・“inspect=in+spect

「中を(“in”)」+「見る」「詳しく調べる」

これは、「中までしっかり調べる」という感じで比較的わかりやすいですね。

 

 

・“prospect=pro+spect

「前を(“pro”)」+「見ること」「見通し、予想」

緊急事態宣言が延長され、先が見通せない情勢が続きますが、日々気持ちは前向きにいきたいところですね...!

 

それではまた!

 

(参考文献:ジーニアス英和辞典)

「パフェ」は「完璧なもの=パーフェクト」〜身近にあるフランス語〜

パフェ、美味しいですよね。

私はたまにレストランなどで食べますが、たまに無性に食べたいと思うこともあります。

今は外に出られないので、久々に食べたいなあと思っています。

 

さて、そんなパフェですが、綴りにすると"parfait"。

これはフランス語で「完璧な」という意味の単語になります。(フランス語での発音は「パルフェ」です。)

 

分解すると、"par"+"fait"。

"par"=「すっかり、全く」

"fait"=「〜をする、行う」という動詞の完了形。

これらを合わせると、

「すっかりやり終えた状態」→「完璧な」

という意味になります。

つまりパフェは、「完璧なもの、完璧に作り上げられたもの」という意味だったんですね!

確かに色々盛り付けられていて完璧なスイーツ感はありますよね。

 

ちなみに英語で「完璧な」は"perfect"ですね。

"per"+"fect"と分解でき、

"per"=「完全に、すっかり」

"fect"=「〜をする、行う」

という意味なので、先ほどのフランス語と時と同様の意味になっているのです。

 

"per"と"fect"についてはそれぞれまたの機会に詳しく扱えればなと思っています。

コロナが収まったら、美味しいパフェを食べたいですね!

それではまた!

 

(参考文献:ジーニアス英和辞典)

「デジャブ」の語源はフランス語("déjà" + "vu")〜身近にあるフランス語〜

「デジャブ」とは、「実際は一度も体験したことがないのに、すでにどこかで体験したことのように感じる現象」です。(wikipedia

日本語では「既視感」といいますね。

「初めて来るはずの場所なのに、なぜだか小さい頃に来たことがある気がする...」

といった時に使うこの単語、語源は何語かご存知でしょうか?

 

 

見出しにも書きましたが、これはフランス語から来ています。

 

「デジャブ」="déjà" + "vu"

音としては、「デジャヴュ」の方が近いと思います。

 

"déjà"は「すでに」という意味(副詞)。

"vu"は、「見る」という意味の"voir"の過去分詞。

合わせて直訳すると、「すでに見た」ということになります。

 

ここから、「デジャブ」=「すでに見た」→「既視感」となったのは自然な気がしますね。

"pend"=「吊るす」〜語源から覚える英単語〜

ペンディング」という言葉があります。

タスクなどが「仕掛かり中であること」を指し、仕事などで使われることも多いですね。

 

英語の綴りにすると、"pending"となります。

今回は、この"pend"について見ていきます!

 

"pend"は、「吊るす」という意味です。

これから派生している単語を見ていきましょう。

 

・"pending"="pend" +"-ing"

「吊るされている状態」=「現在仕掛かり中の、未定な」

ingをつけることで状態を表しています。

 

・"suspend"="sus" + "pend"

「下に("sus")」+「吊るす」=「ぶら下げる、つるす、中断する」

まさに文字通り、「下に吊るす」ですね。「中断」も、宙ぶらりん担っているイメージです。

名探偵コナンがつけている、「サスペンダー」も、"suspender"ですね。

 

・"depend"="de" + "pend"

「下方に("de")」+「吊るされている」=「依存する、頼る」

いわゆる「ヒモ」のイメージでしょうか笑。

 

"pendant"="pend" + "-ant"

「吊るす」+「もの(ant)」=「下げ飾り、ペンダント」

"-ant"はフランス語で「〜している」という現在分詞や、形容詞を表す語尾です。英語では「〜するもの、〜する人」という意味の接尾辞です。

 

いかがでしょうか。

身近な単語のつながりを感じるのは楽しいですね!

それではまた!

 

(参考文献:ジーニアス英和辞典)

CorporationとCooperation〜語源を考えれば迷わずスッキリ〜

CorporationとCooperation。

意味は、

"Corporation"=「会社、企業」

"Cooperation"=「協力」

となりますが、どっちがどっちだかわからなくなった経験はありませんか?

 

カタカナにするとどちらも「コーポレーション」となりますので、私は受験時代にいつもどっちがどっちだからわからなくなっていた記憶があります(汗)。

 

でも、語源と単語の成り立ちを考えることで、スッキリ違いを理解することができます!

 

Corporationは、"Corpor(a)"+"(a)tion"と分けることができます。

"corpor"は「体」を意味するラテン語からきています。

そのため、「〜すること、もの」という意味の"tion"とあわせることでいわば「体をなすもの」といった意味になります。

企業というものを考えた時に、「様々な部署が各々の役割を果たし、全体で体をなしているもの」と考えることができます。(様々な部署が、体の器官に対応すると思います。)

それゆえに、企業を意味するCorporationが「体」という意味から成っていることも納得できるのではないでしょうか。

 

一方、Cooperationは、"Co"+"operation"と分けられます。

"Operation"「運転、操業、(いわゆる)オペレーション」という意味ですね。

(ここでは自体の成り立ちには立ち入らないこととしましょう。)

"Co"は、「一緒に、共に」という意味の接頭辞なので、Cooperationは、「一緒にオペレーションを行う」という意味になります。

 

まとめると、

"Corporation"=「体をなすもの」=「会社、企業」

"Cooperation"=「一緒にオペレーションを行う」=「協力」

ということになります。 

 

いかがでしょうか?

少しでももやもやが解消されるきっかけになってくれれば嬉しいです。

今回は以上です!

 

(参考文献:ジーニアス英和辞典)