言語を楽しむ

言語同士のつながり、単語の由来や覚え方など、語学にまつわるお話を書いてきます!

"culture"は「耕されたもの」?〜"culture"と"cultivate"の関係〜

"culture"という言葉がありますね。「文化」という意味です。

 

一方で、「耕す」という意味の"cultivate"という単語があります。

この2単語は、無関係のようで実は関係しているのです。

 

単語を眺めると、語頭の"cult"という部分が共通しています。

 

"cultu"、"cultiv"には、共に「耕す」という意味があります。

"cultivate"は"cultive"に「〜の状態にする」という意味の"ate"が結びついて、「耕す」。まさにそのままの意味ですね。

 

"culture"はもともと、"cult"に「もの」という語尾の"ure"が結びついて、「耕されたもの」という意味です。

では、なぜ「耕されたもの」が「文化」という意味になったのでしょうか?

 

文化とは、長い時間をかけて人々の生活や精神に刻まれているものです。

「精神など人間の内面が耕されてきた結果、生まれた産物」と考えることができます。これが、「文化」という言葉として今用いられている、ということなのです。

この意味の繋がりを知った時、個人的にはとても腑に落ちた記憶がありますが、皆さんはいかがでしょうか?

 

今回は"culture"と"cultivate"という、一見意味は似ていないけれど根底はつながっている単語について扱いました。

それではまた!

 

(参考文献:ジーニアス英和辞典)

"vita"「命、生活」〜身近にあるラテン語〜

今回は、ラテン語で「命、生活」の意味を表す"vita"を扱います。

この"vita"は今の英語に残っており、私たちの身近なところにもあります。

 

vital:「命の、生命の、不可欠な」

"vita"に「〜に関する」という意味の"al"を結びつけてできた単語です。

「命に関わる」→「不可欠な」という意味になるのは違和感ありませんよね。

スポーツ選手が摂取するアミノバイタルの「バイタル」はまさにこの"vital"です。

 

vitamin:「ビタミン」

日頃から私たちが耳にする「ビタミン」。

これは、「生きるために必要な(vita)アミノ酸(amine)」という意味です。

(当初、この物質はアミノ酸に含まれていると考えられたため、「アミン(amine)」が用いられました。)

 

ちなみにこの"vita"、ラテン語から派生した各種言語では今でもそのまま、もしくは似た形で使われています。

イタリア語:vita(全く同じ!)

スペイン語:vida

フランス語:vie

 

(参考文献:ジーニアス英和辞典)

英語にはラテン語起源の単語が多い〜ラテン語と英語の深いつながり〜

「英語」と聞くと、「今後は英語ができることは当たり前」と学校で聞かされ、学習で大変な思いをした方も多いかと思います。

私も始めた当時はあまり英語が好きではありませんでした。

しかし、英語と他言語との関わりを見て行くと、その背景にある歴史を感じられ、「案外面白いかもしれない」と思い、そこから少しずつ語学が好きになっていきました。

 

 

英語は、ラテン語から派生した言語ではありませんが、単語の多くはラテン語を起源としています。

 

具体的な単語については今後扱っていくこととして、今回は英語がいかにラテン語から単語を取り入れたかについてお話しします。

ラテン語は、大きく2種類のルートを辿って英語に影響を与えました。

  1. ラテン語→フランス語→英語
  2. ラテン語→英語(借用)

 

  1. ラテン語→フランス語→英語
    かつて、イギリス(イングランド)は11世紀に、フランス語を話すノルマン人により征服されます。そこから数百年、英語とフランス語が入り混じることとなります。
    これにより、英語はフランス語を通して間接的にラテン語起源の語彙を取り入れることになりました。

  2. ラテン語→英語(借用)
    ルネサンスの頃になると、学者によりラテン語借用語として直接英語に取り入れられるようになりました。

 

こうして、ラテン語の影響を大きく受けた英語を私たちが勉強していると考えると、ラテン語の持つ影響力の大きさを思い知ることができる気がしますね。

 

 (参考文献:「ラテン語の世界」 小林標著 中公新書

"virus"はなぜ「ウィルス」と読む?〜身近にあるラテン語〜

昨今世界を震撼させている、コロナウイルス

日本でも感染者が増加しており、先行きが大変心配ですね。。。

 

「ウィルス」。

英語の綴りは"virus"ですね。英語読みだと「ヴァイラス」のようになります。

ではカタカナではなぜ「ウィルス」となるのでしょうか?

 

実はこれ、ラテン語読みしているのです。

ラテン語は、基本的にはローマ字読みですが、"v"を「ウィ」のように発音します

そのため、virusを「ウィルス」と読んでいるのです。(ラテン語でvirusは「毒」を新たす単語です。)

 

他にも、学校で教わる、森鴎外の小説「ヰタ・セクスアリス」は、"vita sexualis"という綴りで、冒頭の「ヰ」はこの「ウィ」に対応しているわけです。

("vita"という単語も、いずれ扱っていきたいと思います。)

 

こうして見てみると、案外ラテン語は日常の近くにいることを感じられるのではないでしょうか?

 

ラテン語とは?

「ラテン」という言葉は「ラテンアメリカ」とか「ラテン系」という言葉で聞くことが多いと思います。これらは「ラテン語」からきています。

しかし、そもそもラテン語とはなんでしょうか?

 

ラテン語」は、ローマ帝国で用いられていた言語のことです。

現在は使われていませんが、フランス語やスペイン語は、ラテン語から派生した言語です。その意味では、ラテン語は今も生きている言語と言えるかもしれません。

 

ラテン語から派生した言語】

フランス語、スペイン語ポルトガル語、イタリア語、ルーマニア語など

 

 

また、なぜローマ帝国の言葉なのに「ラテン語」なのか。

それは、ローマ氏の属する州「ラツィオ州」と関係があります。

ラツィオ」はLatiumという地名が変化した名前で、もともとこの地で使われていた「ラティウム語」が、ラテン語となっているのです。

 

ラテン語は日本語の中にも影響を及ぼしていますが、それも後々見ていきたいと思います。

 

(参考文献:「ラテン語の世界」 小林標著 中公新書

言語を楽しむブログ

はじめまして。ちゃんまさといいます。

20代後半の社会人です。

 

学生時代に語学をいくつか学びましたが、語学の学習を通して面白いと思った話や、言語同士の繋がり、はたまた(実用的な?)英単語の覚え方、などを紹介できたらと思います!

学んだ言語とレベルはこんな感じです。

 

英語:中学から学校で勉強、ビジネスレベル?(一応TOEIC900超)

フランス語:中学から学校で勉強、日常会話レベル、フランス留学経験あり(仏検2級)

スペイン語:独学、基本の「き」くらいをかじったレベル(西検4級)

 

こっから下はかじった程度のものです。

 

イタリア語:独学、スペイン語ほどはできない

ロシア語:独学、旅行のために少しだけ詰め込んだ程度

中国語:やりたいと思ったけれど四声で止まったまま笑

ラテン語:少しやってみようとしたけれど格の多さに圧倒されてほとんどやってない

ギリシャ語:教科書だけは持ってます!笑

 

こんな感じで、触れたことのある言語は多いものの、身についているものは少ないと言った状況ですが、それでも語学自体は好きなので、色々書いて行けたらと思っています!

(参考文献も書きますので適宜ご参照ください! )

(細かい文法的な話はしない予定です!)